最近ではコンビニやスーパーで売っているため、日本でも少しずつ馴染みが出てきた「シードル」というお酒。
シードルとは一体どんなお酒なのか、詳しくみていきましょう!
「シードルについて知ろう」
シードルとは何?
シードルは「りんご」の果汁を発酵させて造る「お酒」です。
香り付けに他の果物やハーブ、スパイスを加えたシードルもありますが、原料は「りんご」だけ。
リンゴ以外の果物などを使ったお酒を「シードル」と呼ぶのは間違いなので注意してください。
リンゴを使ったお酒のため、ビタミンやミネラルがたっぷり!健康面でも安心して飲むことができるお酒です。
シードルはどんな種類があるの?
発砲タイプ
容器内で発酵させ、そのまま炭酸ガスをとどめたもの。
自然の発砲のタイプが基本です。
アイスシードル
カナダでは有名ですが、りんごを収穫せずにそのまま外の外気で凍らせてから作るシードルです。
糖度とアルコールが高いタイプです。
スティルタイプ
無発砲のタイプ。
一次発酵のみ行うか、炭酸ガスを除くものになります。
フレーバード・シードル
りんごの他に、ゆずや洋ナシ・スパイスなどで香り付けをしたタイプです。
また違った雰囲気が楽しめます。
世界のシードルについて
ヨーロッパでの発祥と言われているシードル。
そのためシードルの生産量も圧倒的にヨーロッパが多く、当たり前のようにシードルが飲まれています。
ではそんなヨーロッパの国々ではどんなシードル文化なのでしょうか。
フランス
日本で当たり前のように呼ばれている「シードル」は、フランスのCidreが語源です。
世界遺産モン・サン・ミッシェルがあるブルターニュ地方でシードル文化が発展したともいわれています。
値段もリーズナブルなため、ランチからシードルを飲んでいる風景は当たり前。
ニッカシードルもこのフランスから技術者を連れてきて製造を始めたことで、日本でもシードルと呼ばれるようになりました。
スペイン
スペインではSidra(シードラ)と呼ばれています。
アストゥリアス地方では有名ですが、バスクでも6世紀の書物にりんご酒の記録が残されているといわれており、日常的にシードラを飲んでいます。
スペインの特徴は注ぎ方にあります。
瓶を高く持ち、グラスを逆手で低く持ち、長い距離を保ったままシードラを注ぎます。
「エスカンシアール」と呼ばれ、空気に多く触れさせることで、まろやかになり香りが引き立ちます。
イギリス
英語ではシードルのことをCider(サイダー)と呼びます。
少し以外な感じもしますが、イギリスの人にはサイダーというとシードルのことを指します。
主な産地は、ウエストカントリーとよぶ地方でサマセット州、ヘレフォードシャー州、東部のサフォーク州が有名です。
ドイツ
ドイツと言ったらビール!というイメージがありますが、シードルも人気です。
Apfelwein(アプフェルヴァイン)と呼ばれ、フランクフルトのあるヘッセン州がシードルの産地で有名。
毎年8月中旬にアプフェルヴァイン・フェスティバルなども開催され、地元の人からも愛されているお酒です。
アメリカ
ヨーロッパではないですが、アメリカでもシードルは有名。
アメリカではHard Cider(ハードサイダー)と呼ばれています。
リンゴの生産量も多いアメリカではもともとハードサイダーは飲まれていましたが、1920年に始まった禁酒法により生産量が激減しました。
その後また人気を博し、今ではいろいろな地方で飲まれています。
シードルはどうやって作るの?
実際にシードルはどのように作られているのか、一般的な製造方法をみていきましょう。
①選果・洗浄
収穫されたリンゴはまず選果します。
人の目で厳しくチェックを行い、シードルに使えるリンゴを選んだあとは、水できれいに洗浄します。
②破砕
ミキサーなどを使いリンゴを細かく刻みます。
これは後の工程である搾汁をしやすくするためです。
③搾汁
破砕されたリンゴはプレス機にかけ、果汁を搾り取ります。
搾汁の仕方は遠心分離機や油圧プレスなど、色々な方法があります。
④発酵
果汁を大きなタンクに入れて、酵母を加えます。
すると炭酸ガスが発生し、およそ2~4週間程度で発酵が終了します。
⑤ろ過
ろ過は酵母を抜き取るために行い、雑味を取り除きます。
この作業でシードルらしい香りや味がうまれます。
⑥二次発酵
最初の発酵(一次発酵)では無発砲のため、二次発酵を行います。
ここではグラニュー糖などの糖を添加することで二次発酵がされます。
これがシードルの製造方法となり、最後はパッケージングなどをされて、スーパーなどに出荷されます。
リンゴジュースとドライイースト、グラニュー糖などを使い、家でも簡単にシードルを作ることも可能です。
ぜひ試してみて下さい!
シードルのおすすめポイント
では一体シードルの良さってなんなのでしょうか。
ただ美味しいだけではないのが、シードルの魅力です!
・健康志向
ご存じの通りリンゴを使ったお酒なので、ビタミンやミネラルがたっぷり。
また、リンゴにはペクチンと呼ばれる繊維成分が入っており、整腸作用が高く、コレステロールを下げる働きがあります。
プリン体もほぼ入っていないため、痛風が心配な人でも安心に飲めるお酒です。
・おしゃれ
「おしゃれ」なのもシードルの魅力です。
2015年には表参道でキリンのハードシードルのイベントが行われ、若い女性の間でも人気を博しました。
・アルコール度数が低め
2~3%のシードルも多く出回っており、アルコールが苦手な方でも飲みやすいお酒です。
甘口から辛口まであり、甘口は2~3%、辛口は8%のものなどもあります。
アルコール度数が低いとついつい飲みすぎてしまいがちですので、十分注意をしましょう。
・なんの食事でも合う
魚介・肉・野菜、基本何でも合います。
日本ではシードルは甘い飲み物というイメージが強いですが、海外ではすっきりとしたシードルが多いため、シードルによって食べ物を変えることも可能です。
フランスではガレットと合わせることが主ですが、日本の料理とも問題なく合わせられるので、ぜひいろいろなシードルを試してみてください。
シードルのまとめ
シードルの基礎知識についてはこちらで終了です。
これまでの説明を簡単にまとめました。
【シードルとは】
リンゴのお酒。他の果物で香り付けしたものもある。
【海外でのシードルの呼ばれ方について】
・フランス・・・Cidre(シードル)
・スペイン・・・Sidra(シードラ)
・イギリス・・・Cider(サイダー)
・ドイツ・・・Apfelwein(アプフェルヴァイン)
・アメリカ・・・Hard Cider(ハードサイダー)
【シードルの製造工程】
①選果・洗浄
②破砕
③搾汁
④発酵
⑤ろ過
⑥二次発酵
【シードルのおすすめポイント】
①健康志向
②おしゃれ
③アルコール度数が低め
④なんの食事にも合う
少しでも、シードルをもっと知りたい!興味がわいてきた!と思ってくれる方が増えればうれしいです。
ぜひ楽しいシードルライフを過ごしてください!